海外在住日本人と中国人の違い

◇海外出張に行って改めて感じたのは、中国人は個人としてお金を持っていることです。会社経営者や商売をしている人がサバイバルしています。それに対して、日本人の場合は、お金を持っているのは会社で、個人はその恩恵に浴しているに過ぎない場合が多いのです。

◇日本の駐在員はよい住宅に暮らし、子供によい教育機会を与え、会社が貸与している自家用車に乗っていたりしますが、それらは自分の財産ではありません。会社に所属することによってもたらされているベネフィットに過ぎないのです。

◇会社に依存せず自分の力で生きようとする現地の日本人は、いわゆる「現地採用」という枠の中で、能力とは関係のない給与体系の中に封じ込められています。国内の就職ランキング等でも、大企業の人気がますます高まっていて、能力のある若者が安定志向が進んでいます。(大学3年生に、就活についての取材をした記事を書いたのでこちらもご参照ください。→就活の功罪

◇中国が何でも良いわけではなく、格差社会を礼賛するわけでもないですが、個人の原動力が企業の論理に絡み取られているのが日本の問題点ではないかと感じます。首都圏の満員の通勤電車に耐えられる能力は、企業の中でサバイバルする能力とどこか重なって見えてしまいます。

シンガポール出張で見た景色

◇シンガポールには、10年ほど前に住んでいました。見慣れた景色で気が緩んだのか、1枚も写真を撮らないで帰ってきてしまいました。もっとも、写真を撮るような観光地にはまったく行かず、懐かしい食べ物を味わい、なじみの場所に顔を出しただけですが・・・。

◇オイスターオムレツはKLで食べたので、シンガポールでどうしても食べたかったのがラクサです。知り合いの駐在の方に会員制ゴルフクラブのテラスに連れて行ってもらい、やや高級なラクサを堪能しました。これでシンガポールに来た目的の半分は遂行しました。
◇観光地のクラークキーにあるCrazy Elephantという、かつてよく飲んでいたパブは、まだ存在していました。John Cheeというギタリストが経営し、シンガポールのブルースマン達が出演するパブです。日曜の夜はJam Sessionがあるので、よくギターを弾かせてもらっていたのです。前回の出張から5年ぶりくらいですが、John Cheeと、ハモニカのKelvinは、私を覚えてくれていました。苗字が有名なMotor Cycle ブランドと同じなので、覚えやすいのです。今回は、駐在して3年ほどというドイツ人ギタリストとスイス人ドラマー、それにKelvinと一緒に20分ほど演奏を楽しみました。国際都市シンガポールならではの雰囲気が感じられて大好きな場所です。

KL 出張で見た景色

◇クアラルンプールには、何度か訪れているのですが、これまで市街観光をしたことがありませんでした(ホリディでマレーシアに来るのであれば、ふつうはKLよりもリゾートの島を選びますね)。

◇2007年にできたらしい、ブランドショップばかりが集まっているパビリオンというショッピングセンターを覗いてきました。丁度旧正月に時期だったため、飾りつけも派手。パビリオンの中のショップは中国経済に引きづられてずいぶん景気が良さそうです。

◇また、現地で長年暮らしている知り合いに、観光客では見つけられないフードコートに連れていってもらいました。オイスターオムレツとチリクラブ(Crab=蟹です)、ワンタンスープにサテーなどなど。懐かしい味を堪能しました。料金はもちろん・・・・・激安です。

◇高層ビルやブランドショップでは先進国と同様の消費が盛んになっている一方で、ローカルなものはまだまだ安価です。しかし、フードコートで食べることと話を楽しんでいる人たちの表情からは、格差に苦しんでいるというより、多様なライフスタイルの選択肢があるという、一種の豊かさが感じられました。