海外在住日本人と中国人の違い

◇海外出張に行って改めて感じたのは、中国人は個人としてお金を持っていることです。会社経営者や商売をしている人がサバイバルしています。それに対して、日本人の場合は、お金を持っているのは会社で、個人はその恩恵に浴しているに過ぎない場合が多いのです。

◇日本の駐在員はよい住宅に暮らし、子供によい教育機会を与え、会社が貸与している自家用車に乗っていたりしますが、それらは自分の財産ではありません。会社に所属することによってもたらされているベネフィットに過ぎないのです。

◇会社に依存せず自分の力で生きようとする現地の日本人は、いわゆる「現地採用」という枠の中で、能力とは関係のない給与体系の中に封じ込められています。国内の就職ランキング等でも、大企業の人気がますます高まっていて、能力のある若者が安定志向が進んでいます。(大学3年生に、就活についての取材をした記事を書いたのでこちらもご参照ください。→就活の功罪

◇中国が何でも良いわけではなく、格差社会を礼賛するわけでもないですが、個人の原動力が企業の論理に絡み取られているのが日本の問題点ではないかと感じます。首都圏の満員の通勤電車に耐えられる能力は、企業の中でサバイバルする能力とどこか重なって見えてしまいます。