もうかなり前からですが、UAEではスカイプの無料通話が制限されています。私は海外の日本人生徒と主にスカイプを使って、IB Japaneseや小論文・作文指導を行っていますが、チャットだったり、有料のスカイプ通話を利用せざるを得ない状況が続いています。
自国の電話会社の保護などといった事情があるのか、詳細な事情は分かりませんが、VPN接続も禁止したということですから、政府はかなり徹底して取り締まりをするつもりのようです。しかし、ステルスのようなVPNにより政府の監視をかいくぐるようなサービスもあるようで、イタチごっこの様相を呈しています。
もちろん私は、コンプライアンスの観点からVPNの使用を生徒に推奨はしていません。他の手段でスカイプのようなやり取りをしています。先ほども書いた有料のスカイプ通話はそういった手段の一つですが、わずかとは言え、課金されるのはあまり良い気分はしません。そこでとある会議室ツールを使っています。こういった会議室ツールも主なものはすでに使用できなくなっていますから、現在使っている会議室ツールも早晩使えなくなるかもしれませんが、今のところ何とか繋がっているようです。
UAE在住の皆さんがスカイプで便利なインターネットライフが送れる日はやってくるのでしょうか。
上海出張(帰国枠大学説明会)を終えて
先週末、業務を受託している帰国子女専門機関の大学受験部門責任者として、上海で大学進学説明会を行ってきました。
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上智大学などで実施される国際バカロレア入試
国際バカロレア入試という制度で日本の大学に入学できることに関して、かつての教え子の一人がIBディプロマを持っていること自体が高等教育への進学パスポートであるはずなのに、なぜその上にTOKレポートやEEレポートを提出しなければならないのか、意味が分からないとぼやいていました。
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ICUのユニヴァ―サル・アドミッションズ入試について
ICUのユニヴァーサルアドミッションには、9月入学書類選考と4月入学書類選考、さらに4月入学帰国生入試があります。
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帰国生入試問題 聖光学院②
GLICC代表の鈴木裕之です。
前回の記事では、聖光学院の2017年度の英語入試問題についてご紹介しました。今回は、2018年度の聖光学院の英語入試問題を見ていくことにします。
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IB Japanese 受講生から 東大合格の報せ
本日3月10日は、東大の合格発表日でした。一般入試だけではなく、帰国生入試もこの日が発表。昨年5月の最終試験までIB Japaneseサポートを2年間受講していた生徒から、東大文科1類に合格したとの報せがありました。自分が教えていた生徒から合格の連絡を受け取るというのは、やはり嬉しいものです。
彼女が IB Japanese A(母語)で取ったスコアは最高ポイントである7。他の科目も概ね良いスコアを取っており、最終合計スコアは学校のPredicted Scoreより4ポイントも高かったとのこと。普段の授業以上に本場で実力を発揮するタイプだったということでしょう。
東大の帰国生入試は、1月の終わりに書類選考の結果がわかります。2次の筆記試験は、一般入試と同じ日程(試験内容は多少異なります)で実施され、さらにその10日ほど後に面接が行われます。
今年の文科1類の日本語小論文は、「たとえ難病を治すという目的があってもヒトの遺伝子組み換えは倫理的に許されない、禁止するべきだ」という見解について論評を加えなさい、というもの。コールバーグのモラルジレンマを想起させる出題です。その生徒は、人間の尊厳を傷つけるという理由で、遺伝子組み換えに反対の立場から書いたそうです。ルールの背後にある根拠を自分なりに見出し、普遍的原理を志向した点が評価され合格したのでしょう。
IB Japaneseであれ小論文であれ、こういう問いから議論が発展していくのは楽しいですね。当時ヨーロッパに住んでいたこの生徒とは、時差の関係もあり、日本時間の日曜夜によくスカイプでディスカッションをしました。文学作品の解釈について、いつもシャープな論評をしていたことが強く印象に残っています。
今受講中の生徒の中にも彼女に引けを取らないほどの作品解釈の力を発揮する生徒が何人かいます。古典文法は知らなくても、現代語訳で、枕草子や方丈記、おくのほそ道などを丸ごと読み、それらの作品の比較分析をせっせとしています。帰国生に英語力だけではない頼もしさを感じるのは、彼らがそういう学びをしているからなのです。
これからはしかし、国内の学びも変わっていくはずです。2020年の大学入試改革の目指す方向は間違いなく帰国生入試の方向に近いと言えます。
2月に発行されたこちらの本では、2020年大学入試のモデルとして、帰国生入試問題が数多く取り上げられています。今後どんな対策をしていいか分からないという人には一つの指針となってくれるでしょう。
IOC / IOPへの準備は万全ですか?
2016年5月に最終試験を控えるIBDPのJapanese A Self Taughtの受講生は、IOC(Individual Oral Commentary)とIOP(Individual Oral Presentation)が迫ってきました。
IOPの方ではプレゼンテーションの内容を原稿にして練習している人もいるかもしれませんが、本番では原稿を持ち込むことはできません。箇条書き程度のメモをもとに話の内容をまとめる練習をしておく必要があります。
少々たどたどしくても、伝えるべき内容が整理されていることが大切です。特に、オーラルの場合は、ESSAYなどとは違って、聞き手は内容構成を視覚的に確認することができません。内容をあまり入り組んだ構成にしないように配慮するとともに、「ここでのポイントは3つあります」「初めに○○について、その後に△△について触れます」などといったように、話の初めの部分で、伝える内容の構成をあらかじめ提示しておくと、分かりやすいプレゼンテーションになるでしょう。
また、IOCの方では、各ジャンルの5つの質問に対して、それぞれが全く重ならないような答えを準備しなくても大丈夫です。例えば、詩のstructure(構成)について答える内容と、内容を強調している技法について答える内容が、多少重なるのはむしろ自然なことです。ただし、出された問いに対して答えるという心構えは忘れないよう。二つの質問に対する答えが全く同じになるということはありえません。グッドラック!
TOK Essay の提出準備は順調ですか
明けましておめでとうございます。年末から年始の三が日はほとんど仕事をせず、久しぶりにゆっくり過ごしました。明日4日からは仕事モードです。
IBディプロマの2年目にいる人は、そろそろTOK EssayやExtended Essayの提出時期ですね。2016年5月最終試験の人のEssay提出期日は3月15日です。学校の方ではもう少し前倒しの締切日になっているはずです。早めに仕上げて提出するようにしましょう。
IB Japaneseを受講している生徒が、時々TOK EssayやEEについて質問をしてきます。ある程度のことまではIB Japaneseのサービスの延長として答えていますが、根本的な対策の場合は、 別途費用を頂いた上で短期集中の講座としてお引き受けしています。これから2か月余りの短期間で仕上げようと考えている人は一度ご相談ください。
Youtubeなどでも色々と解説があるようですので、参考にしてみると良いでしょう。下の動画はKnowledge Questionについて詳しく説明してくれています。
国際バカロレアのExtended Essay
先日IB入試で筑波大学を受験した生徒の面接指導をする機会があり、提出書類の一つであるExtended Essay(以下EE) の概要、そしてその元となるEssayを読ませてもらいました。
一人は、生物学のクラスで学んだことを応用して、身近な食品に含まれる脂肪と健康との関係について考察し、もう一人は、日本のあるエンターテイメント小説の文学的な意義について考察していました。
驚いたのはその内容のレベルの高さです。Essayと名付けられていますが、形式面と内容の深さは大学生の卒業論文と比べても遜色ありません。字数も英語で4000語(日本語では8000字)以内と、十分な準備をしないと書き切れない長さです。
当然、書くための方法が指導されないと、このレベルの論文は書けるようになりません。IBの凄いところは、こういった論文指導のための詳細なガイドが用意されていることです。このガイドは、従来英語などでしか読むことはできなかったのですが、最近文科省の国際バカロレア普及の動きの中で、日本語翻訳版が出されました。
この翻訳版を読むことは、IBを受講している生徒や保護者、また日本の中高の現場にいる先生方にも大きなヒントをあたえてくれると思われます。幸い、IB教育に関心を持つ人のために公開されていますので、一度入手して見ておかれることをお勧めします。資料公開ページはこちら
海外生からの年賀メール
すっかりこちらのブログをご無沙汰しておりました。
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
IB Japaneseをかつて受講していて現在はドイツの大学に通っている大学生からメールで新年の挨拶が届き、あらためて海外でも新年を祝っている日本人がいることを意識しました。
私がその昔暮らしていたのは常夏のシンガポール、あるいは冬と夏が逆転する南半球のオーストラリアでしたから、正月らしさを感じるということはほとんどなく、せいぜい大晦日の紅白歌合戦をケーブルテレビで観ることで年末年始の雰囲気を無理やり感じようとしていた覚えがあります。
海外だとクリスマスや旧正月の方が長期の休暇となることが多く、日本のような年末年始の雰囲気を感じることは少ないのではないかと思いますが、休暇までグローバルスタンダードにすることもないでしょう。海外で働く日本人は年末年始に長期休暇を取って一時帰国をすることが、長く現地でサバイバルするためには必要だと思います。