◇患者本人に余命宣告をするようになったのは、いつからどういう理由によってだったのか。ふとそんな疑問が沸き起こってきました。
◇近藤氏によれば、余命宣告が、その後の高額な治療を承諾させる、いわば脅しのような働きをしているということです。確かに治療が結果的に失敗した事例をいくつも読んでいるうちに、医療現場に対する不信感を募らせることになるかもしれません。
◇しかし、どの治療がベストなのかということについては、結局患者本人が何を信じるかの問題だと感じます。近藤氏を信じるのも一つですし、自分がかかっている医師を信じ、強い薬の副作用に負けずに治療を続けていくというのも選択です。
◇余命宣告をされるという極限状態にあって、そのようなことを自ら選択するというのは想像するだけで耐え難いと感じます。私なら余命宣告などされたくないですが、それは許されないことなのでしょうか。
◇この本の内容の真偽ということよりも、生きるということのコンセプトをこそ考えさせられます。