96条改正に関する論議

◇憲法学者の石川健治氏が、96条改正案についての意見を朝日新聞に寄稿しています。

96条改正という「革命」

◇理由があってハードルを高くしている改正手続きについて、ハードルが高い(手間がかかる)から低く変えてしまえと言わんばかりの改正案の暴論ぶりを丁寧に解説してくれています。

◇権力を縛る装置は厳重であればあるほど、国民にとってはよいことであるはずです。問題は、「その厳重さが原因で物事が先に進まない」といった「議論のすり替え」がなされても、我々は気づかないでいることがあるということです。それは、頭の良し悪しとか怠慢とかいうことではなく、忙しい毎日を送っている以上、やむを得ないことです(ダニエル・カーネマンはそのような思考を「システム 1」と名付け、人間の判断の合理性を支えていると「ファスト&スロー」の中で述べています)。

◇憲法学者のような専門家にとっては、石川氏の主張は、当然の理屈かもしれませんが、それをきちんと表現し、国民に知らせていくことは、専門家の責務でしょう。その意味で、こういった論考は、非常に重要であると言えるのではないでしょうか。