IBディプロマの評価の仕組みは、日本の教育現場でも参考になる点がいくつかある。
中でも興味深いのは、学校内部で行う評価(Internal Assessment)とIB本部で行う評価(External Assessment)が分かれている点である。タームごとに渡される成績表は、基本的にInternal Assessmentである。最終スコアが確定するまでは暫定的な評価(Predicted Score)ということになる。
この仕組みでは、評価者である教師は、自分の評価の妥当性についてチェックを受けることになる。いくら生徒に良い評価を与えてそれによって人気を取ろうとしても、IB本部が出す最終スコアとかけ離れていては最終的に評判を落としてしまうわけだ。
一方、IB本部が出す評価もまた、生徒からのアピールによって評価し直すことがある。もっとも、再評価しても最初の評価が変わらない場合は手数料が発生するので、やみくもにアピールをするわけにはいかないのだが…。
評価するものが絶対者にならないよう配慮されているのだろう。