若者の結婚観と日本の経済状況

昨日はアメリカに10年以上暮らしている高校生と小論文の授業を行いました。

問いは新聞記事とグラフを参考にして、2003年の調査と2008年の調査で、特に若者の間で結婚した方が良いと考えている人が増えているのはなぜかというもの。さらに、そういう状況にもかかわらず現実には結婚しない男女が増えているのはなぜか、と矛盾点についての設問が続きます。

アメリカに住んでいるということも関係あるのでしょうが、日本のバブル崩壊後の経済状況についてはかなりの解説が必要です。彼らが生まれたのはバブルが崩壊した後ですから、不況とか失われた20年とかいうことの実感はありません。

格差社会とかワーキングプアということも実感はないでしょう。経済的に割と恵まれている家庭で育っているためか、私から見ればおっとりしている生徒が多いのです。したがってあまり熱く説明してしまうと、自分が全共闘世代のようなトーンになっていたのではないかと後で反省します。

否定からではなく、ニュートラルな位置から考えることの大切さを逆に教わっている気がします。

冗談と民主主義

本日の小論文授業で扱ったテーマです。

アメリカ人は自由と民主主義の元祖だと思っているがゆえに、冗談が不必要だったが、日本では民主主義が実体化していないために冗談が生まれにくいという著者(辻井喬氏)の主張をふまえて考える問題(上智外イスパニア)。

「ゆとり」や「健康な批評精神」が失われているという指摘が解答の鍵となるでしょう。

冗談と「お笑い」の違いにも言及できますが、高級/低級みたいな議論になると、それこそ民主主義的ではありません。

600字という短い字数ですから深入りし過ぎずに書いてもらいました。

IB Japanese 「三四郎」授業

本日扱ったのは「三四郎」でした。三四郎と美禰子が二人きりになる場面、ストレイシープの言葉の意味を考えることに終始しました。こういう機微、特に三四郎のような晩生の男の子の心理を今 どきの女子高校生は、しかし見事に理解します。「草食系」ですねと一言でズバっと切り捨てます。 それにしても、この時代の大学は9月入学なんですね。再読すると色々と発見もあります。