『サンデル教授の対話術』 マイケル・サンデル/小林正弥 著

「哲学は私たちを慣れ親しんだものから引き離し、悪い市民にする」という一節にハッとさせられました。

もちろん、ここで「悪い市民」というのはレトリックですが、「善良な市民」とか「小市民」などという紋切り型のイメージで「市民」を固定化して捉えていた自分に気づかされます。

社会を維持する最低限のルールは守るにしても、「変だ、おかしい」と感じることに声を上げないと本当の「市民生活」はやってこないし、声を上げた以上は批判にさらされる責任を引き受けないといけません。

そこの覚悟がないと「対話」は単なるスタイルや流行にとどまってしまいますね。