昨日は海外のインター校に通っている男子生徒と遠隔授業を実施しました。
この作品は名作であることは間違いありませんが、一度ストーリーを追っただけではその良さがよく分かりません。その男子の読後感もしっくりしないものであったようです。
「やまなし」や「なめとこ山の熊」などにも描かれているように、生命が他の生命の犠牲の上に成り立っているというモチーフは賢治の作品によく表れてきます。その世界観を理解した上で読まないと、「ほんとうの幸」がリアリティーを持たないかもしれません。つまり、直線型ストーリー志向の読み方では「ふーん」で終わってしまいます。
読み返して細部を読みこむほど凄い作品だと感じます。夢から目覚めたジョバンニは、旅をする前と比べてどのように変化したのか、来週生徒がコメンタリーを提出してくれることになっているので、どういう解釈をしてくるのか楽しみです。