IB Japaneseには、外国文学(翻訳文学)のパートがある。自学生徒はここから2冊を選び、どちらかの作品について3000字以内のエッセイを書く。先日はスカイプで指導をしている生徒がマクベスを選択し、その作品の時代背景について調べてきた。さすがに古典中の古典だけあってネットには色々な情報が載っているようだ。英語でサーチすれば、英文学に関する情報は山ほど集まる。そういうわけで実在のスコットランド王マクベスや、シェークスピアが執筆したとされる時期のイングランドの王位継承にまつわるエピソードもたくさん調べてくれた。
調べることはよいことであるが、フィクションである戯曲と史実にあたかも関連があるかのように捉えてしまうと、かえって作品分析の邪魔になってしまうこともある。
テューダー朝からスチュアート朝時代にかけて、新旧宗派の対立や王位継承をシェークスピアがどのように見ていたのかは、非常に興味深いものであるが、それを分析の中心にしてしまうと作品分析の本質からは離れてしまう。そのあたりのバランスが大切である。