加藤周一著 『日本人とは何か』と森有正著『いかに生きるか』

IB Japaneseスカイプでの通信指導をしている生徒が、パート4で加藤周一『日本人とは何か』と森有正『いかに生きるか』を選んできたので、比較してプレゼンテーションをするためのトピックを一緒に考えてみた。

パラパラとページを繰りながら、私が気になってしまうのは、Ⅱ章の「天皇制について」であるが、生徒の方は、その章にはあまり興味が向かない様子。もっと庶民のことが書かれているところがないかと、「普通の日本人」が論じられている箇所を探していた。

基本的に私が担当するIB Japaneseサポートでは、Self taught(自学)をサポートするということにしているので、生徒自身の気づきを尊重している。私の方から「こうしなさい」的なアドバイスはしていない。今回は、生徒が共通点を探しあぐねていたので、共通点ばかりではなく、対照的な点に気をつけてみてはどうかなという手がかりのみを指摘して、次回までの宿題ということにした。

『いかに生きるか』の方は戦後30年経った時代に書かれている本だが、戦後70年を迎えた今の時代に読んでも内容はまったく古びていない。というか、日本の課題は相変わらず真の民主化だったり個人の確立だったりと、何も進歩していないことに愕然とする。

次回生徒とどんな対話ができるか楽しみである。

日本人とは何か (講談社学術文庫)  いかに生きるか (講談社現代新書)

 

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