少し前の記事で、福田誠治氏の『国際バカロレアとこれからの大学入試改革ー知を創造するアクティブ・ラーニング』という本をご紹介しましたが、2016年に入ってからIBやTOK関係の書籍が相次いで刊行されています。数年前までは、国際バカロレアに関する本はかなり珍しいもので、ましてやTOKに関するテキストの日本語訳が出るなどというのは、予想もできなかったことです。
TOKに関しては、ピアソン・ジャパンからのものとオックスフォード出版からのものがあります。どちらも内容は、元の英語版を翻訳したものですが、ピアソンの本では、IBやTOKが日本の教育にもたらす意義などについての対談も入っており、TOKを学ぶ人だけではなく、IBに関心を持つ教育者向けの編集にもなっているようです。
実はまだ手元に届いていませんが、Z会出版からもTOKに関する参考書が出版されました。これだけ日本語の参考書が出てきたのですから、実際に海外や国内のインターナショナルスクールで学んでいる方は是非手元に1冊持っておくべきでしょう。英語で授業を受けているにしても、日本語で理解しておくと助かることは多いはずです。
『国際バカロレアの数学』も、TOKと数学の関連やエクステンディッド・エッセイの例が示されていて、これまでに日本語の出版物としては類を見ないような本となっています。日本の数学ではほとんど使われないグラフ電卓の使用例を取り入れているところなどは、実際に授業現場で指導をしている方ならではと言えるでしょう。
『アクティブ・ラーニングとしての国際バカロレア』は、IB教育の第一人者とも言える大迫先生の著作です。こちらは、日本の教育がIBの教育のどういう点を参考にするべきかということについての提言がされています。
IB教育を受けている人やこれから受ける人は、どれを買おうかではなく、すべてに目を通してみると良いでしょう。そうすれば、実際の指導を受けた時、仕組みがわからないために低い評価を受けるということはなくなるはずです。
これほどIBに関する書籍が出てきたことは喜ばしいことです。