「ペルセポリス」マルジャン・サトラピ著、 園田 恵子訳

Part1のTranslation(外国文学)でマンガを選ぶ生徒は多い。というか、文字をあまり読みたくないという生徒には、「マウス」か「ペルセポリス」をお勧めしている。マウスについては、以前の投稿でご紹介した。

今回はペルセポリスについてご紹介しよう。

「ペルセポリス」は、イラン国内のフランス式インター校で教育を受けていた女の子が、イスラーム革命以降に起こった身の回りの生活の変化や、母国を離れて暮らしたヨーロッパの生活を描いた作品である。ペルセポリスというのは「ペルシアの都」という意味と「都市を破壊する」という二つの意味があるらしいが、この作品においては、世界遺産のペルセポリスを指しているわけではい。

マンガとはいえ、イラン周辺の中東の現代史が一般庶民からの視点で描かれていて、イスラームについての基本的理解が乏しい私にとって、様々な示唆を与えてくれる作品であった。

IB Japanese のExamが終了

◇先週金曜日にPaper1、そして今週月曜日(昨日)にPaper2が終了した。今年は7名ほどのスカイプ受講生がいて、それぞれの選択した作品に合わせた対策をするのが大変だったが、生徒からのフィードバックを聞く限り、なんとか対策は役にたったようである。

◇IB Japanese:Literature の評価において、最終試験が占める割合は、Paper1が20%、Paper2が25%である。2年間の学習成果の約半分がこの2つの試験によって問われるのだから、ここを念入りに対策しておくかどうかが最終スコアに大きく影響する。

◇ところが、Paper1もPaper2も論述式の問題で、おまけに、文中に書かれていることだけではなく、自分の解釈を加えていく「評論タイプ」の問題なのである。何かを暗記していたからといって得点の上昇が期待できるわけではない。常に「正解」がある「国語」に慣れている生徒にとって、こういうタイプの問題は非常に苦手だ。どうしても「正解」という権威にすがろうとするところをどう飛び立たせるかが指導の胆となる。つまり、自分で考えるしかないなと覚悟を決めてもらうことが大事なのである。

◇そのためには、指導者は教えすぎないこと。もっと言えば、教えないことこそが大切なのだ。なんて無責任な指導者だと思われるかもしれないが、今のところそれがIB Japaneseの指導の極意だと思っている。