◇やらなければいけないことが増えてくると、「To do list」にある何かを片付けていくことが日常になり、その日にできなかったことが新たな「To do list」の項目となって残っていくことになる。明日はあれをしよう(しなければ)という思いでその日が終わることになるのだが、これはあまり健康的ではない。するべきことがすべて片付くことなどあり得ないからだ。最初からするべきことを少なくできればいいのだが、いただいたお仕事を断るほど優雅な身分ではないので、結果的にするべきことは膨れあがっていく。
◇せめて1日の終わりくらいは、その日にできなかったことを忘れて、嬉しかったことに感謝するように心がけたいと思う。かけがえのない人と一緒にした食事、豆を挽いて淹れたコーヒーの豊かな味わい、仲間にもらったメッセージやさりげない配慮など、わずかな時間だったかもしれないけれど、そういう瞬間をしばし振り返ってみることは、日々仕事に追われる感覚を持つよりもずっと明日に生きる希望につながるのではないか。